花粉症は、今や2人に1人が発症しているともいわれ、この20年で患者数が倍増するなど、「国民病」とも呼ばれる身近なアレルギー疾患です。
また、ある調査では、花粉症による労働力の低下に伴う経済損失額が、1日あたり約2,450億円に上ると推計されており、社会全体に大きな影響を与えています。

国の花粉症対策
国では、令和5年5月に開催された「花粉症に関する関係閣僚会議」において、次の3つを柱とする総合的な対策を取りまとめました。
- スギ人工林の伐採・植替えなどの発生源対策
- 飛散予測の精度向上などの飛散対策
- 治療や予防行動の周知などの発症・曝露対策
神奈川県の花粉飛散予測 スギ・ヒノキともに例年より「やや多い」
神奈川県自然環境保全センターでは、毎年、スギ・ヒノキ花粉が「いつ」「どれくらい」飛ぶのかを予測するとともに、実際の飛散状況の調査も行っています。
その結果、令和8年春の花粉飛散量は、スギ・ヒノキともに例年より「やや多い」と予測されています。
スギ・ヒノキは、夏の猛暑により雄花の着花量が多くなる傾向があります。
令和7年7月・8月は記録的な猛暑となりましたが、スギは前年にやや多く着花していた影響もあり、大量着花には至らなかったと推定されています。ヒノキについても、前年が例年並みの着花だったため、大幅な増加にはつながらなかったとみられています。

神奈川県の花粉症対策
神奈川県では、スギやヒノキなどの人工林が森林面積の約4割を占めており、広範囲に飛散する花粉の発生源となっています。
このため、県では健康への影響を抑えるため、「花粉発生源対策」を柱として、花粉症対策苗木の生産や、スギ・ヒノキ林の針広混交林化・植え替えなどに取り組んでいます。
花粉症対策苗木の生産
花粉症対策苗木とは、一般的なスギやヒノキと比べて、花粉の生産量が少ない、または全く生産しない品種の苗木です。
現在、県内で生産されているスギ・ヒノキの苗木は、すべて花粉症対策苗木となっています。
さらに、令和8年度当初予算では、県産の無花粉スギの中から成長に優れた品種を「県独自のエリートツリー」として選抜し、挿し木苗の生産に向けた採穂園を整備する研究開発費として、443.3万円が計上されています。

スギ・ヒノキ林の混交林化と植え替え
神奈川県では、「九都県市花粉発生源対策10カ年計画」により、広域的に飛散するスギ花粉の発生源対策を共同で進めてきましたが、この計画の終了を受け、平成30年に新たに「神奈川県花粉発生源対策10か年計画」を策定しました。この計画では、花粉症が社会問題化する以前の昭和50年代後半以前の水準まで県内の花粉量を戻すことを将来目標とし、スギ・ヒノキ人工林あわせて13,300haを対象に、間伐による混交林化や植え替えなどを進めています。
混交林化については、令和6年度までの実績が1,887haで、全体計画に対する進捗率は38%となっています。近年は、まとまった事業地の確保が難しくなっていることが課題です。
また、植え替えについては、令和6年度までの実績が123haで、進捗率は34%となっています。林業経営を取り巻く状況が厳しい中、作業面・費用面での負担が大きいことが課題となっています。
花粉症対策は、県民の健康を守るだけでなく、社会や経済への影響を抑えるうえでも重要な取組です。
神奈川県には、発生源対策を着実に進めるとともに、実効性ある取組をさらに加速していくことが求められています。
神奈川県では、「九都県市花粉発生源対策10カ年計画」により、広域的に飛散するスギ花粉の発生源対策を共同で進めてきましたが、この計画の終了を受け、平成30年に新たに「神奈川県花粉発生源対策10か年計画」を策定しました。この計画では、花粉症が社会問題化する以前の昭和50年代後半以前の水準まで県内の花粉量を戻すことを将来目標とし、スギ・ヒノキ人工林あわせて13,300haを対象に、間伐による混交林化や植え替えなどを進めています。
混交林化については、令和6年度までの実績が1,887haで、全体計画に対する進捗率は38%となっています。近年は、まとまった事業地の確保が難しくなっていることが課題です。
また、植え替えについては、令和6年度までの実績が123haで、進捗率は34%となっています。林業経営を取り巻く状況が厳しい中、作業面・費用面での負担が大きいことが課題となっています。
花粉症対策は、県民の健康を守るだけでなく、社会や経済への影響を抑えるうえでも重要な取組です。
神奈川県には、発生源対策を着実に進めるとともに、実効性ある取組をさらに加速していくことが求められています。
神奈川県議会議員:あらい絹世